田代親世コラム☆韓国ミュージカル界が抱える知られざる事情!?
【田代親世のゆるふわ韓国ミュージカルDays】
コロナウイルスの影響で多くの舞台が上演を取りやめているのは日本も韓国も事情は同じ。でも韓国の場合は、そこに韓国独自の事情も重なって、コロナを言い訳にした出演俳優やスタッフへのギャラの未払いが問題化しています。
‘賃金未払い’これは今に始まったことではなく、この数年にわたってなかなか改善されない問題なのです。
2018年に韓国のミュージカル俳優478人を対象に実態調査を行ったところ、なんとおよそ半数が賃金未払い経験をしていることが分かったそう。
『二都物語』が開演10分前に主催者が出てきて「今日は幕を開けられない」と謝ったことがありましたが、のちに賃金未払いのためにオーケストラスタッフがボイコットしたためだったと判明。
『ロッキー』も、有名映画のミュージカル化の韓国初演ということで華々しくスタートするはずだったのに、なんとその制作会社が前の公演の分の支払いを劇場に清算していなかったため出入りを禁じられ、開幕前日に公演そのものがキャンセルにならざるを得なかったのだそう。
ロッキー役として体を絞ってボクシングの練習をしてきた主演俳優たちを始め、公演に関わるスタッフたちの落胆はいかばかりだったでしょうか。
1986年の香港映画『英雄本色』(邦題:男たちの挽歌)のミュージカル版
今回は『英雄本色』『シャーロックホームズ』『ウィーウィルロックユー』などが「コロナによる観客、俳優の健康とスタッフのために中止を決定」と説明されていましたが、ふたを開けてみればやはり賃金問題がその背景にあることがわかってきました。
ロビーに設置されたフォトスポット
韓国のミュージカル製作会社は自転車操業のところが多いと聞きます。一つの作品がコケた場合、賃金支払いを先延ばしにして次の作品の利益で支払っているという現実。
なので、もしも訴えてその制作会社に悪いうわさが出たら次の作品が上演できなくなって支払ってもらえなくなるから、スタッフなどはじっと待つしかないのだそう。
悪循環ですね。
実際に私が見て、俳優たちの熱演や舞台セットのすばらしさに感動した作品もちゃんとギャラをもらえていなかっただなんて、胸が痛みます。
もっともこれは公演界に限らずドラマ界も同様。
とても人気のあったドラマでも、終わってみれば俳優やスタッフに賃金未払いで訴えられていました。
どうも韓国は予算を度外視して作品を作ってしまう傾向にあるのかなと思ってしまうのですが、こうも改善もなく繰り返されていると、せっかくの才能やマンパワーが萎えてしまわないか心配になってしまいます。
韓国エンターテイメント・ナビゲーターとしてテレビやイベントで活躍中の田代親世さん!
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