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2013.12.17 09:46

【会員レポ】12/11 ZIK ZIN LIVE TOUR 直進 in ZEPP 東京レポ

彼がステージの上で涙したのを初めて見た気がした。

彼のステージを幾度となく見てきたが、今までステージで彼が泣いた姿を見たことがなかった。
幾度となく泣きそうになっても「僕は家を守っていく長男ですから」とか「僕は韓国の男だから絶対に泣きません」と歯をくいしばり涙を見せないようにいつも我慢してきたはずだ。その彼が泣いてる…。今、目の前で…。
「泣いてるの?」と思わず言葉がこぼれた。
会場には彼と共に涙を流す沢山のうなぎ(ファン)達の姿があった。

この日、彼の包み隠さない正直な想いが会場中に溢れ、会場は「グンちゃーん!」と彼のことを呼ぶうなぎ達の温かい声援に包まれていた。

2013年12月11日 ㈱フラウ・インターナショナル主催「2013 JANG KEUN SUK ZIK ZIN LIVE TOUR 直進 in ZEPP」1番のチケット争奪戦激戦区となった東京。
私は幸運にもそのチケットを手にすることができた。
 
彼の登場をまだかまだかと幸運なうなぎ2000人が待つ会場。ボルテージはマックス。
そこに「お願いMy Bus」のイントロが流れ、大歓声の中チャン・グンソク登場。
ホワイトジーンズに身を包み、柄入りのラフなTシャツ、その上にライトブルーのジャケットを羽織り白い帽子姿。
少し痩せたね、グンちゃん…。

前日早朝5:30までドラマ撮影し、そらから家で急いでピッキングし日本に来たと話した彼。
「昨日は4時間しか寝てないけど今日は12時間も寝ちゃった~」とおどけて話す。すっかり疲れも取れ元気な様子。声も良く出てるし伸びている。
全身全霊を込めて体中で歌い上げていく、表現していく。
時には軽快に、時には会場中と元気いっぱいに弾けジャンプし、時にはしんみりとバラードを熱唱する。
歌を歌っている時は観客の顔を見ながら心を込めて歌うと言った彼の言葉通りに隅から隅まで会場中を見渡しながら歌っていく。
そしてその合間合間に、ウイットの効いたトークを挟み、観客と一緒に爆笑する…。
彼のステージはそういうステージだ。
歌もさることながら、彼のライブの魅力はMCにもある。ユーモアのあるトークで会場中を引き込んでゆく。
彼は観客を本当に良く見ている。この日も会場のうなぎの物真似などで爆笑の渦に巻き込んだ。
日本語を間違えて突っ込まれても「しょうがないじゃん!僕、外国人じゃん!!一生懸命頑張ってるやん!!」とすかさず逆突っ込みを随所に入れていく。
相変わらず切返しも上手い(笑)。
彼の驚くところは、このMC部分を全て日本語で話していること。異国の言葉でこんなにも自分の気持ちを表現していく彼が外国人だということを時々忘れてしまう程だ。
これだけ話すのも並大抵の努力じゃないはずだ、でも彼はそれをおくびにも出さない。
「僕って日本語上手~」と自分でネタにしてしまう。

この日、「みんなは僕だけが好き?」と会場に聞いた彼。気にしているのだろうか?(笑)
「日本にも韓国にもたくさんの俳優さんや歌手がいるけど芸能人はみんなの声援をもらって頑張れている。でもみんなやっぱりジャニーズやシャイニーとかが好きだよね?」と笑いを取った。
「これからもグンちゃんだけ!!」という声援の言葉に一瞬嬉しそうな顔をした。

「みんな知ってる?Zeepはアーティストの最後の夢だよ。色んな会場を経験して最後にやりたいのはZeepなんだよ」
それ程の魅力がZeepにはあると彼は言う。
デビューしたての初心に返って観客と同じ目線で観客と呼吸をあわせ、その日のライブを一緒に作りあげていく。だから何も心配いらないんだと。
アーティストと観客が1つになり織りなすメロディー、そしてステージ。
 

今回のツアータイトル「ZinZin」日本語で直進は彼の発案だそうだ。
このツアーでありのままのチャン・グンソク。生のチャン・グンソクを表現し、この瞬間、この場所にうなぎ達と一緒に居ることのできる幸せ、そして未来は見えないけれども、後ろを振り返らずこれからもうなぎ達と一緒に直進していきたいという彼の想いが詰まっているそうだ。
 
そのタイトル通り、終盤に差し掛かったMCコーナーで「こんなこと話してもいいのか?」とためらいがちに彼がぽつりぽつりと今の正直な気持ちを話し始めた。

一瞬真剣な顔をし、口を開きかけた瞬間「何でも話して~!」と言う会場の声に反応し、「僕、ゲイなんだよ!」といきなりの一言。
てっきりしんみりとした話をすると思ってた会場は「ゲイなんだよ!」という予想外の言葉に一瞬たじろぐ。
彼は会場のその反応を見てニンマリ。すかさず「うそだし!!」と自ら大爆笑!!
グンちゃんとバンドさんで大爆笑!!遅れて会場も大爆笑!!
そうだ、チャン・グンソクとはこういう人だ。またグンちゃんにまんまとやられたと会場大爆笑。

そして笑いがおさまった頃、今度こそ本当に正直な話を始めた。
「実は、自分で台本を見ただけでこのドラマや映画はヒットするだろうなと自然にわかる。僕自身がだよ!」と言う言葉に力が入る。

「考えてみて!だって僕は生まれてからこの業界で22年間この仕事しかやったことがない。
テレビ局のそれぞれの性格もあるし台本にもある。それを見てこの局とこの台本ならヒットするってのが自ずとわかるんだ。
でも僕はそれをしたくはない。なぜなら安全な道を選んでも平坦な道しか待っていない。僕はそれはいやだ!未来が見えては人生の面白みがない。
正直、今ヒットしているドラマや映画の話ももらったよ。100本ぐらい話をもらった。会社やマネージャーは、これグンちゃんだったらヒットするよ。ヒット間違いなしだよ。と持ってくるけど俺はそれは断固としていやだ!俺は、俺の演じる作品は俺自身が決めたい。
なぜなら後悔したくないから!ヒット作を出すことはもちろん俳優にとって大きなキャリアになるかもしれない。もちろん自分の作品が人気出ることに越したことはないけど。
でも人気狙いに走るなら未来が見えるでしょ?そんなの楽しくないでしょ?そんな人生は僕はいやだ!!
僕はそうだ、天邪鬼なんだ!」と。

「僕の人生で1番大事なのは後悔しないこと。今までもそうやって生きてきた。ここまで来れてうなぎ達にも感謝で一杯だけど、いつも見守ってくれる両親に1番にありがとうと伝えたい。
考えて見れば僕の人生は、上昇下降の繰り返しだ。生まれた頃がマックスでそこから緩やかに下降し、少し上昇してを繰り返してきた。(手でグラフを表現)そして『ノンストップ』に出演した後、当時僕は20歳だったけど子役のイメージが払拭できず苦しんだ。2年間台本1つも貰えなかった。
でもどうにか頑張って少し上昇したけど、韓国で“虚勢”(ホセ:強がり、いきがり)でSNSで叩かれた。日本もそうかもしれないけど韓国では謙虚な姿勢が好まれる。でも僕は正直だから『自信がある!』等と言ってたら叩かれてしまった。
あーそうか、じゃもう正直になるのは止めようと思ってたら、2011年、日本で歴史的なグンちゃんブームが来た!!ゆっくり来たんではなくていきなり来たよ。いきなり僕の人生グラフが最高潮に上昇した。
正直怖いものは何もなかったよ。SPも6人居た。日本に来ただけでニュースになり1時間で4回もTVに放送されたこともあった。
社会的な現象だったよね。子供の頃からの夢、東京ドーム公演も叶った。今でも信じられないよ。当時人は僕にこう言った。『CMいっぱいやってお金稼げて羨ましいねー』と。
でもみんな知らないでしょ?それだけのお金を貰うということは、それ以上の価値を示さなくてはいけないプレッシャーが常につきまとうってことを。
プレッシャーに押し潰されそうだった。苦しかった。でもとても良い経験になったよ」と一瞬遠い目をした彼。

「でも今は違うでしょ。そんな俺に2012年12月、初めてのスランプが来た。何もしたいことが見つからない。どこに行ってもどこに居ても何も感じない。僕のそんな気持ちを誰も知らずに、うなぎや両親、会社は俺に『頑張って頑張って』と言う。正直死にたいと思ったこともあった」

「でも!!」と言葉に力を入れ「ここからが本当に大事な話だよ!!」と言った彼。

「1番トップも1番どん底も俺は経験した。だからどの部分に居ても自信がある!平行線の人生は何もない。楽しくないし意味がない。だからこれから先どうなっても、僕は僕の選んだ道だから後悔はしない。でもやりたい事やっちゃう俺だからうなぎ達がうなぎを卒業してしまっても仕方ないよね」と少し悲しげに話した。

「でも人生グラフのどの部分にいても俺は変わらない。自信がある。もっともっと完璧は男になるために頑張っているので、これからもみんな俺についてきてくれる?」と会場に聞いた。
そこに会場のうな男から「グンちゃん格好いいー!」という大きな声援が送られ、思わずピースしたグンちゃん。
「じゃー!!みんな俺に死ぬまでついてこい!!」と言う言葉と、とびっきりの笑顔でこの場を締めくくった。
そして「この気持ちのまま次の曲STAYを歌います」と曲紹介した。

そしてレポ冒頭部分に戻る。
メロディーが流れ、目を閉じ心を込めて歌う彼。
色んな想いが込み上げてきたのだろうか、曲の1番の途中で突然目頭を押さえ、声を震わせ詰まってしまい数秒間メロディーだけが流れた。
その姿に「グンちゃん…」と心配そうに見守るうなぎ達。
でもなんとか声をふり絞り歌っていた時に2番のサビ部分で再び声が詰まって歌えなくなってしまった。
泣き顔を見せないように後ろを向き肩を震わせていた。
その背中に君は一体どんな大きいものを背負ってきたのだろう。

友達のような近さに居てくれるスターチャン・グンソク。
自分からファンのところに近付いてくれる遠いけど近い存在。
自分に正直過ぎる彼を人は生意気と言うかもしれない。でも、格好良いところはもちろんのこと、格好悪いこともそして苦しみも悲しみも悔しさも見せてくれる人間臭いチャン・グンソクが大好きだ。だから飽きない。目が離せない。
 

そして迎えたアンコール。
「今まで色んなステージで色んな観客を前にしたけど、今日ほど正直な話をしたことがなかった。僕の味方。僕のパワーのうなぎ達ありがとう!!これから先またスランプが来るかもしれない。でも、これからは疲れた時、寂しい時にはちゃんと正直に話すよ。だって俺は君たちのこと信じているから」
「人生は本当に短いよね。僕の未来は見えないけど、特に僕の人生は映画みたいじゃないかと思うんだ。ラストの曲です『Like a Movie』」と曲紹介。

そして彼の人生のような歌詞「Like a Movie」を歌いあげていく。
彼の人生と曲がリンクして自然に涙が流れた。
水を頭からかぶり、全てをファンの前で吐き出して清々しい彼の姿がそこにはあった。

目を細めてくしゃくしゃな顔して笑うのは昔から変わらないね。
知ってるよ、その顔で笑ってる時は本当に楽しんだってこと。

もう我慢しなくていい、全てを話せるスタッフがいる。仲間がいる。ファンがいる。
チャン・グンソクは更に大きくなった。彼はこの苦境もきっと演技の糧にするはずだ。
それは彼のよりリアルな人間像を演じる演技に生かされ、そしてその悲しみや悔しさの経験が、聴く人々の心に沁みる彼の歌声を作っていくだろう。
チャン・グンソクは本当の意味でのスターということを学んだのかもしれない。

自分の人生から逃げず真っ向から立ち向かう姿。信頼できる愛する仲間たち、そしてファンに囲まれ幸せいっぱいの26歳の青年 スターチャン・グンソクがそこに居た。