田代親世コラム☆つくづくすごい韓国ミュージカル界の掛け持ち出演
【田代親世のゆるふわ韓国ミュージカルDays】
韓国では、主演、助演に至るまで、ダブル、トリプル、クワトロのキャストは当たり前なので、そうなると可能になってくるのが掛け持ち出演です。
今年4月に釜山で『オペラ座の怪人』が行われていた時、私はまずソウルでいくつかミュージカルを観てから釜山に飛んだのですが、前日の晩に観た『レッドブック』に男性主人公役で出ていたソン・ウォングンが『オペラ座の怪人』の、ヒロインを巡って怪人と対立するラウル役で、昼公演、夜公演ともに出演していました。
ソン・ウォングン
いつ来たの?私と同じスケジュールだ!となんだか嬉しかったのですが、翌日にはまたソウルに戻って『レッドブック』に出ていました。
堅物青年とロマンチック貴族を演じ分け、連日のご活躍は素晴らしいのですが、ソウルと釜山をいったり来たりして演じるなんて、鑑賞のために行き来するのも結構しんどいのに、もう想像しただけで大変そうでした。
ミュージカル界のトップ女優オク・チュヒョンも、この春は『レッドブック』と『ベートーベン』を掛け持ち出演していて、実際に4月半ばには体調不良で小さな手術を受けたそうで公演自体を出演キャンセルしてもいました。
オク・ジュヒョン
そんな中、5月には来日してコンサートにも出演したのです。5月2日の『ベートーベン』の夜公演に出て翌日日本に来てコンサートのリハーサル、そして4日、5日と本番を終えて帰国して6日には2時半からの『ベートーベン』に出演ですし、翌7日は『レッドブック』で主演です。
国をまたにかけてのすさまじいスケジュールですね。このスケジュールを見ただけで、私はクラクラしてしまいます。
チケットパワーを持っている人気者にはどうしてもオファーが殺到します。
そしてなまじ、ダブル、トリプルキャストだとこなせてしまうので、大人の事情のしがらみや演技者としての欲も働いて引き受けてしまうんだろうなと思いますが、これは体力をしっかりつけておかないと続かないですよね。
つくづく韓国でミュージカル俳優を第一線でやり続けるには厳しい自己管理が必要だなと感じます。
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