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2022.04.13 11:00

大人の韓国+han暮らしまわり通信~いつもそばにある詩~

 

흙숲밤(土森夜)…

ひとつの単語から連想されるカラーペーパーに1文字のハングルが印刷されたシックなノートを、+hanのオンラインストアでご紹介しています。

実はこちら、韓国の著名な詩人ハン・ヨンウン氏の『산촌의 여름 저녁(山村の夏 夕方)』という一編の詩にインスパイアされ制作された、韓国の文具メーカーソソムングのノートです。

 

『山村の夏 夕方』の詩が印刷された土森夜ノート

 

上質な素材、シンプルで落ち着いた佇まいは一瞬にして夏の日の夕方の景色やたちこめる緑の薫りを連れてきてくれるような素晴らしいノートです。

また小人数の小さな文具メーカーがオリジナルで制作したいと思わせる詩…言葉のチカラを改めて感じるのです。

 

韓国では日本より詩がずっと身近にあるように思います。

書店での詩集コーナーの大きなこと!詩集専門店もできベストセラーにもなることも稀ではありません。また詩を愛する男性が多く彼女への贈りものに詩集を選んだりすると知りビックリしました。歩いていると地下鉄の駅の壁面に刻まれた詩を見かけたこともあります。

そうそうドラマ『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』や『ボーイフレンド』でも詩が大切な役割を果たしていましたね。

 

左:詩集『もしかしたら星たちが君の悲しみを持っていくかもしれない』(ドラマ『トッケビ』登場本)

右:詩集『花を見るように君を見る』(ドラマ『ボーイフレンド』登場本)

 

 

韓国に住む知人に最近赤ちゃんが生まれ、夫婦は好きな詩人と同じ名前を名付けたんです。

日本では珍しいことなので少しびっくりし彼女に理由を尋ねてみると、「詩」がいつも傍らにあり迷った時、涙する時、自信がなくなった時、詩人の言葉に支えられたんだそうです。

あー、そうだったんですね。確かにうんと若い彼女から紡ぎだされる文章は豊かで美しくいつもうっとりしています。

 

 

昨年末、詩人茨木のり子さんの特集がTVで放映され、韓国で彼女の詩の朗読会が盛んに開催されていることを知りました。

『わたしが一番きれいだったとき』『倚りかからず』『自分の感受性くらい』…20代から30代の若者たちが集まりそれぞれが好きな詩を選び読み上げ、意見を交わされていました。

自分らしさを見つめ大切にしながら人生を歩む。

茨木さんの詩が海を渡って生きづらい韓国の若者の支えとなり背中を押していました。

 

50代からハングルを勉強された茨木さんは晩年、韓国現代詩の翻訳に情熱を傾けられ韓国の12人の詩人の62編の詩をまとめ出版されています。

 

画像出処:Amazon

 

キム・ジハ、ホン・ユンスク、ハ・ジョンオ…たいへんなご苦労だったと思いますが、まだ知られていなかった詩人の紹介文も茨木さんの言葉で紹介されとてもわかりやすかったです。

 

本よりもうんと短い言葉で構成される詩。その分、ぎゅっと濃密に作家の思いが詰まり想像をかきたてられ、忘れていた風景を一瞬にして連れてきてくれるようでロマンティックです。

ここ数年次々に翻訳刊行されるK文学に続き韓国の自由詩もどんどん親しまれると良いですね。

 

最後に茨木さんが特に愛した韓国の美しいことわざを記したいと思います。

가는 말이 고와야 오는 말이 곱다
行く言葉が美しくてこそ返る言葉も美しい

 

 

(文・写真:+hanスタッフ)

 

 

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