【会員レポ】6/3「THE CRISHOWⅢ」東京公演レポ
3月14日を皮切りに8都市16公演を巡ったグンちゃんの全国ツアー「2015 JANG KEUN SUK THE CRISHOW Ⅲ」。
ツアーファイナルの6月3日、日本武道館公演に幸運にも参戦できることに。
2013年TEAM H以来の武道館に足を踏み入れると、立ち見席までうなぎでぎっしり埋めつくされている光景が。
歌手デビューして5年になった今でも、こんなにも大きな会場でソロ公演をやれるグンちゃんの凄さをあらためて実感。
武道館のメインステージには、チャン・グンソク城も、マジックワールドもなく、バンドセットとベンチがひとつ。
センターステージ、サブステージもなく花道すらない空間は、物理的距離じゃなく、歌を通じてみんなの近くにという、アーティスト チャン・グンソクの果敢な挑戦を物語っていた。
CRISHOW、CRISHOWⅡと越えてたどり着いた先。今のグンちゃんの心象風景を表すかのようでもあり。
19時、客電が落ち、ホール公演ではアンコールで歌っていた「ひだまり」でスタート。
ペーパーボートに乗り込んだグンちゃんが宙から登場すると、うなぎたちの歓声が会場中一斉に響き渡る。高い所が苦手なグンちゃんをハラハラしながら見守りつつ。
黒ジャケットにグレーのインナー、黒のパンツに黒スニーカー。
以前のCRISHOWでは、どんなに突っ込まれようと止めなかった「金髪王子」、「ゴージャスな羽根つきハットのマジシャン」だったのに、ふわりとウェーブがかかった髪を、無造作に耳にかけただけのまっこう自毛勝負(笑)。
今回の公演の目玉とも言える紗幕を使った印象的なプロジェクションマッピングの演出と、甘くてでも力強くて伸びのある歌声が一体となり、瞬く間に会場をCRISHOWワールドに引き込んでいく。
グンちゃんの滑らかな弧を描いた背中や、イヤモニを抑える左手。
伸びてきた髪をしきりに耳にかける仕草。CRISHOWⅡから使っていたキラキラマイクを持ちながらリズムをとる指先。右足を組みながら、リズムを取ってるのかクセなのか掴みかねる揺れる足先。曲と曲の合間に急ぎめで水を飲む様子。安全ベルトやリフターのバーを丁寧に扱うところ。全部愛しくて(笑)これが最後かと思うと目に焼き付けておきたくて。
昨日の武道館では、アリーナ席を1階と勘違いしていたけど、さすが検索魔くん。Twitterでの突っ込みを見ていたのか、オーラスではきっちり会場に確認し修正(笑)。
2010年のJAPANツアーでは「残念ながら言葉の壁は越えられない」と言っていたのに、5年経った今では、日本語の歌を歌い、通訳もなく日本語で気持ちを伝え、たった一人でステージを引っ張っていく。
「日本語の歌詞難しい。発音難しいね。みんなの応援のおかげで頑張れた」
と言ってくれたけど、やっぱりチャン・グンソクという人は紛れもなく努力の人だ。
「ファンが一緒に歌える、今の自分を知ってもらいたい」という想いがつまったアルバム「モノクローム」からの楽曲を中心に、グンちゃんが繰り出す多彩な曲たち。
モノクロームな世界が、気づけばチャン・グンソク色に染まっていく。ホール公演とはまた違うセットリスト。
「日本のファンに字幕じゃなく自分の言葉で伝えたい」と歌手になってくれたグンちゃん。
「Let me cry」を歌いこなす姿を見ていたら、この5年の間、さまざまな経験や感情が、グンちゃんの体を通り抜けてきたんだろうなと胸が締め付けられた。
「1曲1曲歌ってきて、次はいつこの曲歌えるのかと思います。おわりはまたはじまりじゃない?」
さらりと言いながら、スタッフやバンドメンバーに感謝の気持ちを伝えたあと、
「終わりたくないよ。僕を見てるうなぎの為に拍手してください。ありがとう」と言いながら泣きマネをし、笑う。
「今日の空気、ここで言っていること、忘れないでね。『風』」
今回のツアーでより一層、グンちゃんの声はこんなに魅力的で素敵だったんだと気づかされた。
日本語の歌詞を丁寧にひとつひとつ伝え、豊かな表現力で演じるように歌い、瞬時にその歌の世界を創り出す。ステージに一人立つグンちゃんの圧倒的な存在感。
CRISHOW=致命的なショー、まさに致命的な魅力のチャン・グンソク。
「風」の終盤、ライトがあたっていなかった時の姿が、今でも脳裏に焼き付いてる。
体を左右に揺らしながら、2階、1階、アリーナと、ひとつずつ確かめるように、この光景を忘れないとでもいうように、会場を見渡していたグンちゃん。
私たちがグンちゃんを見つめ続けてきた時間と同じように、グンちゃんもうなぎたちをずっと見つめてくれていたんだと、あらためて気づかされたあの時。
武道館では、鳥かごが壊れた後、最後に白い鳥が羽ばたいていった。
解き放たれたあの鳥は、幸せになれただろうか。
アンコールに突入すると、濃密な一体感を作り上げライブは最高潮の盛り上がりへ。
チャン・グンソク七不思議のひとつだった「どんなに汗をかいても滲まなかったアイライン」もメイクさんが変わり、じわり滲むようになったけど、それがまたセクシーで(笑)。
ダンサーさんと一緒にエアギターしたり、振付を間違えて照れたり。
「一緒につくったメロディ」では、恒例になった「もう1回コール」に、ヘロヘロになりながらも何度も応え、腰も激しく振りつつ(爆)。
アリーナ前のスペースにも降りたグンちゃんを見ていたら、広い武道館にいるのに不思議とグンちゃんがとても近い存在に感じられ、まさに心が距離を越えた気がして。
ダブルアンコール、腰かけながら、水を一口飲んだあとにグンちゃんはそっと口を開いた。
「“うち”の意味考えてみようか…HOME、僕とうなぎが一緒のところじゃない?僕が信じられる人、僕を信じて応援してくれる、うなぎと僕とのメッセージみたいなもの。“うち”は、心があったかくなるし、浮気しても卒業しても帰れるところ。だから僕にはうなぎのいるここが“HOME”だと思うよ。」
「おわりははじまりじゃない?また会いましょうね。ぼくのうちに帰ろう」
静かに告げると、会場はうなぎたちの歓声に包まれた。うなぎの直の声を聴きたいからか、右耳のイヤモニははずしたままで。
会場にマイクを向け、うなぎたちを見つめるグンちゃんの顔は穏やかで。
オーラスの雰囲気に流されず、感傷に浸りすぎず、良い意味で自然体に見え、本当に大人になったんだなと思ったら、不意に泣けてきた。
あんなに毎回待ち焦がれていた「ただいま」の優しい一言も、今日はCRISHOWⅢの終わりを告げる切ない合図。
オーラスでも先の約束は聞けず。
いつも走り続けてくれたグンちゃんだったから、この数年、本当に日本うなぎは恵まれ幸せだったんだね。寂しいけど、うなぎはグンちゃんにとってのHOMEだから。そう、明日が見えたら進めばいい。
最後のサプライズ「Feel the beat」。
会場が一体となり歌い飛び跳ね、永遠に続けばいいと願った時間。
「CRISHOWⅢ終了。お疲れ、みんな!すぐ帰るね」と言い残し、カメラに向かって、「アンニョン」と投げキス&ピースをして去っていった背中を見ていたら、すでにグンちゃんは先を見ている気がして。
エンドロールには全国にグンちゃんが来てくれた証が。
「僕が行ったことない場所、そこに住んでるうなぎと同じもの食べながら、同じ気持ちを感じた」と言ってくれたね。
グンちゃんはこの先も、自分が何者なのか、何の為に生きているのか、探し続けるだろう。
そんな時、武道館で見た光景、全国を巡ってうなぎと共有してきた時間が、グンちゃんの胸の中で小さくても光を灯す「ひだまり」になれたら。
21時42分、CRISHOWⅢ武道館オーラスの幕は閉じた。
「より近くに いつも一緒に 皆で楽しむこと」がテーマだったCRISHOWⅢ。
「チャン・グンソクの今」を映した全国ツアーは、グンちゃんの歌手活動 5年の集大成と呼ぶにふさわしいものに。
大きな一区切りになったようでもあり、グンちゃんとうなぎがいれば、どんな場所でもCRISHOWワールドになると確信できたツアー。
かけがえのない時間をありがとう。3ヶ月間、本当にお疲れ様でした。
「終わって寂しいよ」って言ったら、「おわりははじまり」って笑ってくれるかな。
ここで待っているから。
「さあ、新しい航海を始めてみようか…準備はいい?」
そう言ってくれるのを。