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2014.08.12 07:18

大笑いしてストレス解消!映画「海賊」

アンニョンハセヨ!コムドリです。

この夏、韓国では期待の集まる時代物映画が立て続けに公開され、映画ファン達の映画館通いが続いています。
まず先頭を切ったのは、ハ・ジョンウとカン・ドンウォン主演の「群盗」、そして次に公開されたのはチェ・ミンシク、リュ・スンウォンら主演の「鳴梁」。

特に「鳴梁」は韓国映画の歴代記録を次々に更新し、1000万人観客動員突破最短記録を立てる等、公開以来大ヒットを続けています。
韓国人なら誰もが歴史の授業で勉強する歴史上の偉人 イ・スンシンを主人公にした「鳴梁」は、韓国人達にとっては格別な感動を与える作品ということもあり多くの人々がこの映画を選択しました。

「鳴梁」の大ヒットにより余波を受けてしまったのが「鳴梁」の公開から1週間後の8月6日に公開になった映画「海賊:海に行った山賊」(해적:바다에 간 산적)

大ヒット映画「鳴梁」がスクリーンの多くを占領した状態が続く中、「海賊」は残りのスクリーンで勝負しながらのスタートという状態になってしまいました。
また、偉人 イ・スンシンを取り扱い、重みがあり深い感動を与える「鳴梁」に比べ、海賊と山賊が鯨が飲み込んでしまった国璽を巡って争うというストーリーを描いたという「海賊」に対する人々の期待度は非常に低いものでした。

私もあらすじや予告編を見て感じた期待感は同様に低かったのですが、いざ映画が公開された後の評点を見ると意外に高評価。
「お腹を抱えて笑った」「映画館でこんなに笑ったのは初めて」といったコメントが多く、この時になって「あれれ?これって笑える映画なの?」と関心が急上昇。

だって、このポスターのキム・ナムギルとソン・イェジンもシリアスな表情を浮かべていて、どう見ても笑える映画とは思えませんよね?

最近忙しい毎日を過ごしながらちょっとお疲れ気味だった私は「考え込む映画よりも、思い切り笑いながらストレス解消をしたいな」と思っていたので、これらのレビューを見て「鳴梁」ではなく「海賊」をセレクト。老若男女で満員の映画館で観て来ました。
(※子供向けではない作品としては珍しい「観覧等級12歳以上」だったので、家族で来ているというグループも沢山目につきました)

結論から言うと…これは本当に面白いですっ!!!

ポスターから受けたイメージとは全く違う本格コメディ映画で、ストーリーの至る所に“笑いの爆弾”が仕掛けられていて、本気で笑えます。(途中、笑いすぎて涙が…)

だからといって内容が薄いわけでもなく、軸となっているストーリーはしっかり。
ずっとコメディだということもなく、シリアスな部分はちゃんとシリアスに、おまけにアクションシーンも本格的!
と盛りだくさんなので、130分間という長いランニングタイムを飽きる暇なく最後まで楽しませてくれます。

そんなストーリー構成は勿論なのですが、期待の低かったこの映画をヒット映画に作り上げた要因の一つは出演俳優達の演技!
その一番の功労者は何といってもユ・ヘジン!!
何か一言発する度に観客を爆笑の渦(韓国の観客はリアクションが大きく、映画を観ながら大声で笑います)にしてしまうユ・ヘジン演じるチョルボンの存在が無くてはこの映画は成り立たなかったといっても過言ではないでしょう。
個人的には今年の助演男優賞はユ・ヘジンで決定です!

そして勿論、主演のキム・ナムギルとソン・イェジンの二人も最高!!

キム・ナムギルといえば私は「赤と黒」「サメ」といったドラマでの“ミステリアスな悪い男”というイメージを持っていたのですが、「海賊」ではこれまでのそんなイメージとは正反対のおとぼけ&お笑いキャラの山賊の頭領 チャン・サジョンに。

本人も記者会見やインタビューでも話していたように、実際の彼はこんなお笑いキャラに近いそうですが、私にとっては新鮮だったキム・ナムギルのコメディ演技は、彼の新たな魅力に気づかせてくれるきっかけとなりました。
それでいて、真剣なシーンで見せる表情はおちゃらけている時とは正反対の男らしい魅力があり、話す時の声のトーンは素敵で…。
これまで笑顔の少ないキャラクターが多かったからか、実を言うとキム・ナムギルにあまり惹かれなかった私だったのですが「海賊」を観終わる頃にはすっかりファンになっていたのでした。

一方、同性である私が見てもキュートな女優 ソン・イェジンも「海賊」でカリスマあふれる海賊の女親分 ヨウォルというキャラクターでイメージチェンジし、アクションにも初挑戦。

「ソン・イェジンがアクション&カリスマだなんて」と、キム・ナムギル同様に意外だったのですが、実際に映画を観てみると違和感は全く無し!
強いキャラクターでありながらも、男だったら守ってあげたくなる一面もあったりで、本当に魅力的に演じていました。

大笑いして、観終わった後は気分爽快!
深い余韻や感動、教訓を与える映画が高い評価を受けがちですが、映画を観た人達が一緒になって大笑いして、楽しい気持ちで映画館を去ることが出来る…そんな部分がもっと沢山の人に愛され評価してもらえる作品になったらいいなと思った映画でした。

日本で公開されたら是非皆さんもご覧くださいね!オススメです。