大人の韓国+han暮らしまわり通信~ようこそYe’s Park(利川陶磁芸術村)へ~
12月のある日のこと。
ソウルから1時間、地下鉄2号線~水仁・盆唐線~京江線を乗り継ぎ「新屯陶芸村(신둔도예촌역、シンドゥン トイェチョン)」という名の駅に降り立ちました。
改札を抜けエレベーターを降りるとまっさきに目に入る壺のモニュメント。そう、ここは陶磁器の町・京畿道利川市。
顔に突き刺さる寒さを覚悟していたのですが、地方一人旅の緊張で寒波をけちらしていたのでしょうか?予想外のあたたかさで助かりました。
目の前に広がるのは野山だけ…想像とはかなり違う風景に戸惑いました。お目当ての「Ye’s Park (イェスパーク)」まであと少しなのですがタクシーの姿形もなく、誰一人行き交うこともなく私ひとり。
スマホで調べていると1時間に1本の路線バスが!のどかな田園風景を眺めながらなんとか到着したのです。
白磁・青磁といった陶磁器はご存知の通り、韓国を代表する工芸品であり文化財のひとつでもあります。
もともと利川という土地は朝鮮時代の首都・漢陽(ハニャン)に近く、陶工たちがたくさんおられたそうです。広州窯も近く必要な土や道具を容易に入手できることから、今もなお陶磁器の中心地として世界に知られています。
「Ye’s Park」は、その利川に2015年に新しく造成された韓国最大の工芸村です。
およそ40万平方メートル!陶磁器以外にも家具や木工品、韓紙工芸や絵画にテキスタイル、彫刻や漆器やカフェまで…280の店舗が4つのブロックに分かれ建っています。
(画像出処:Ye’s Park公式サイト)
「Ye’s Park」のYeは「芸」を表し、その名の通り個性豊かな建物、電柱、車止め、街路樹…すべてが芸術村という名にふさわしいスタイルで美しい品格のあるマウル(村)です。
私にはどうしても「Ye’s Park」を訪れたい理由がありました。
この場所には、+hanでお取り扱いさせていただいている3人の作家さん、「ヨギダムギ」、「チャンフンソンコンバン」、「クルムコンジャン」が工房を構えておられます。
日本の皆さまに引き続きご紹介するにあたり、コロナが明けた今の「Ye’s Park」の空気を感じたいと思いました。
なかでも「ヨギダムギ」さんの工房についてご案内させてください。
キューブ型のスタイルの黒の外壁が印象的で、燦々と降り注ぐ光を受け、吹き抜けのある気持ちの良い空間です。
2面の道路に面していますので通り抜けもできるのです。
「ヨギダムギ」さんは民画に多大な影響を受けられ、もともとは人形などを制作されていたんだそうです。彼女の描くイラストはどこか懐かしく、昭和の時代を思い起こさせる唯一無二の画。次第に生活道具を作りたいと思われ、今は陶磁器制作が大半を占められているそうです。
作品の陶磁器や個性的な画、韓国で人気のカリモクのソファや仏像から扇風機など、コツコツ集められたという古道具にウイリアムモリスの壁紙。
東洋と西洋、伝統と革新が混在した店内に目が釘付けです。
隣接する工房にも案内していただきました。
ガス窯はフル稼働。私よりふた回りは小さい華奢なカラダからどんどんアイデアが湧き出てこられ日々お忙しそう!スタッフに作るお昼ごはんが気分転換になられるんだそうです。
会話ができるかなと心配していましたが、なんと工房には新潟と千葉ご出身の日本人の方が2人もおられ、一緒に小豆粥までごちそうになりました。
どうしても訪ねたかった「Ye’s Park」 。
あー、ほんとに訪ねてきてよかった!
ほんの僅かでしたが作家のことを知り得、ダイレクトメールの仲でしたのに一緒の時間を共有できたことに感謝です。
伝統文化と現代芸術が調和した芸術村。今この時間も多くの作家たちが大きな夢を持ち、制作されていることでしょう。
今回の経験を通じて、改めて韓国の作家や作品を近くに感じていただけるよう日本の方々にご紹介していきたいと思いました。
またすぐに訪ねたい「Ye’s Park」 。
大きな扉を開けるときっとあたたかく歓迎してくださることでしょう。インフォメーションセンターでも優しく対応していただけますので、皆さまも気軽にお出かけください。
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