田代親世コラム☆舞台では年齢不詳がOK
【田代親世のゆるふわ韓国ミュージカルDays】
先日ミュージカル『ナビレラ』の配信を見ました。今年、ソン・ガン主演でドラマにもなったのでよく知られるようになりましたが、元々ウェブ漫画が原作で、ドラマよりも先に2019年にミュージカル化されていました。
私はその初演の舞台をリアルに見ているので、ついにドラマになったのか、という印象です。
画像出処:ミュージカル『ナビレラ』2021年公式ポスター
これ、70代のおじいさんが真剣に自分が本当にやりたかったバレエを始めるお話なのですが、ドラマではそのおじいさんを年相応の76歳のパク・イナンが演じています。
でもミュージカルでは、なんとWキャストの一人として、チョ・ヒョンギュンさんという36歳のミュージカル俳優さんが老けメイクをして演じているのです。
(画像出処:ミュージカル『ナビレラ』2021年キャラクター個人ポスター)
韓国ミュージカル界は、年配の俳優さんがあまりいないという問題があり、老け役を中堅俳優が演じることが多いんです。
年齢絡みで面白いエピソードをあげてみると、『あの日々』という作品で、主人公の2人は大統領府の同世代のボディーガード同士という設定なのですが、舞台上では、69年生まれのユ・ジュンサンと18歳も違うチ・チャンウクが同世代の親友として、多少強引ではありましたが、やり切っていました。
画像出処:ミュージカル『あの日々』2013年公式ポスター
すっきりした顔立ちが若く見えるのがマイケル・リーで、『西便制(ソピョンジェ)』では、ヒロインの弟役。
マイケル・リー
画像出処:ミュージカル『西便制』2014年キャラクター個人ポスター
でもってその時の父親役がヤン・ジュンモで、ジュンモさんの方が実年齢では7歳も若いのに、しっかりどっしり風格のあるお父さんが板についていて、父と息子の関係性に何の違和感もありませんでした。
舞台はこういう嘘がつきやすいからいいですね。
韓国はW、トリプルなど複数キャストが一般的な中、同じ役にも実に幅広い年齢層の俳優がキャスティングされます。
例えば、今、日本で日本人俳優による『ジャック・ザ・リッパー』が上演中(2021年10月時点)ですが、日本では主人公のダニエルは28歳と31歳の俳優がWキャストで演じています。
これ、韓国だと71年生まれのアン・ジェウクを筆頭に、リュ・ジョンハン、オム・ギジュンら当時40代のベテラン勢も演じてますし、92年生まれのFTISLANDのソン・スンヒョンがそれこそ20歳の時にも演じてます。
画像出処:ミュージカル『ジャック・ザ・リッパー』2011年公式ポスター
だからこそ、演じる俳優の年齢によって主人公像もずいぶん印象が変わるのが面白いところですね。
(文:田代親世)
韓国エンターテイメント・ナビゲーターとしてテレビやイベントで活躍中の田代親世さん!
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