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2015.02.11 02:41

2015 韓国ドラマのトレンドは“多重人格”?

アンニョンハセヨ、コムドリです。

音楽にも流行のコンセプトがあるように、ドラマも見ていると「あれ?このドラマとあのドラマって設定が似ていない?!」と思ったりするように、その時その時で流行している設定やコンセプトがあると思いませんか?

「白い巨塔」を代表に「ニューハート」「ブレイン」「ゴールデンタイム」のような病院を背景にしたメディカルドラマはすっかり定番化して毎年ほぼ1作品は放送されていますが、似たコンセプトのドラマが同シーズンに続けて放送されるというケースが時々見られます。
 
そこでここ数年のドラマをチェックしてみたところ、2012年は“タイムスリップ”が大流行。

「屋根部屋のプリンス」「信義」「Dr.JIN」は、どれもタイムスリップをコンセプトにしたドラマで、現代を生きるキャラクターが過去の世界にタイムスリップしたり、過去の人物が現代にやって来たりして展開されるストーリーは、一般的な現代ドラマor時代劇とはまた違う新鮮さがありました。

 
続く2013年から2014年にかけては「グッド・ドクター」「大丈夫、愛だ」といった“心の病気”を扱ったドラマが放送されました。

難しいテーマだけにややもすると重い内容になりがちなところを、ラブストーリーを交えながら明るい雰囲気で描くことによって視聴者達も負担に感じることなく、それでいて現代人が抱える心の病気についても考えさせるきっかけを作ることに成功しましたね。

そして、2015年のトレンドコンセプトはというと…ずばり“多重人格”!

久しぶりのドラマカムバックで放送前から注目を集めていたSBSの水木ドラマ「ハイド・ジキル、私」のヒョンビンが演じるのは二重人格のキャラクター。
高慢で冷たい性格の主人公 ジソクと、ジソクとは正反対で思いやりがあって優しいロビン(ジソクが持っているもう一つの人格)という二人の人格を演じているので、一つのドラマでヒョンビンの2種類の魅力を楽しむことができます。

また、同時間にMBCで放送中の「キルミー・ヒールミー」のチソンはなんと七重人格という驚きのキャラクターを熱演中。
しかもその7人の人格は少年から中年男性、小さな女の子や女子高生まで本当に様々。
本当に別の人格が現れたかのように7人の人格に合わせて表情や話し方まで見事に演じ分けているチソンは、このドラマで演技力が再評価されています。

作品をする時はそのキャラクターになりきって演技をするものですが、一つの作品で複数の人格を演技するというのは一般的な作品以上に難しいはず。
でも視聴者の立場としては、一つのドラマで複数のキャラクターを演じる俳優の姿を見ることが出来るのって得した気分になりますよね(笑)。

このように、同じ素材を使ったドラマが同じ時間帯に放送されていることにより注目が集まっている“多重人格”ですが、これも一種の心の病気とも言えるわけで、この数年こういった心の病気をストーリーに溶け込ませたドラマがたくさん誕生しているのには、ストレス社会となった韓国の今を投影しているからではないかな、とも思ったりするわけです。
 

一方、新たな概念の“多重人格”を描いた映画「ビューティーインサイド」(仮題)も今年の公開を前に早くも注目を集めています。
2013年に「カンヌ国際広告祭」で三冠に輝いたソーシャル映像を原作にしたこの映画には“20人1役”という斬新なコンセプトが登場。

「多重人格だったら1人○役といえるけど、20人1役ってどういう意味?」と思われましたよね?
どういうことかというと、目覚める度に別の人間になってしまう男性“ウジン”という一人のキャラクターを20人の俳優が演じるので「20人1役」なのです。

本来は30代の平凡な男性が目覚める度に年齢も性別も、そして国籍まで違う人間になるという設定の為、ウジンという一人のキャラクターを20人の俳優が演じるということです。
(モンタージュシーンを含めるとウジン役を演じるキャストは約70人にも及ぶとのこと)

そして、そのキャスティングが超豪華!
パク・シネ、パク・ソジュン、ソ・ガンジュン、ユ・ヨンソクといった次世代の韓国映画を引っ張っていく若手から、イ・ボムス、イ・ドンウク、イ・ジヌク、キム・ジュヒョクといった韓国映画界の中心となっている演技派、キム・サンホ、チョ・ダルファン、キム・ヒウォンといった名脇役まで「こんなラインアップが一つの映画で実現するなんて信じられない!」というのが私の感想です。
また、先程「国籍まで違う」と書いたように、韓国でも絶大な人気を誇る上野樹里もウジン役に最終合流したとあり、映画ファンじゃなくても観てみたくなりますね。


↑この20人の俳優全員が、ウジンという1人のキャラクターを演じるのです

話がわき道にそれてしまいましたが、多重人格でスタートした2015年の韓国ドラマ界。
これからまたどんな斬新なコンセプトが誕生、流行するか楽しみです。