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2021.06.18 13:00

大人の韓国+han暮らしまわり通信~弘大にある小さなカフェ~

 

A’REX(空港鉄道)、地下鉄2号線、京義線が乗り入れる弘大入口(ホンデイック)駅。ここに忘れられないお店があります。名前は「雨乃日珈琲店」

6番出口を出てまっすくまっすぐ…京義線ブックストリートのオブジェを楽しみながら橋が見えると左に曲がり坂道をトコトコ…。

 

 

ガラス越しに見える白い壁とモルタルの床の店内。デザインが異なる椅子や集成材でつくられたカウンター、そして展示された雑貨達。力強い筆致で描かれた縦書き漢字の看板を見つめながら「ここは韓国なのかな…」と思えるくらい日本の雰囲気を持った小さなカフェ

 

(画像出処:「雨乃日珈琲店」公式Instagram)

 

「中くらいの友だち」という同人誌があります。2017年に発刊され現在で9冊目。

執筆者は国籍も職業もバラバラの韓国に関係の深い方々です。特定されたテーマなどなくいろいろな角度からみた韓国エッセイを寄稿され、毎回楽しみにしています。

 

 

その執筆者のおひとりでもあるライター・清水博之さんと扉題字を書かれた書家・池多亜沙子さんご夫婦が営まれておられるのがこの「雨乃日珈琲店」です。

6月の雨の夕刻ということもありお客様も少なく静かな静かな店内でした。カウンターに案内されスツールに座り念願のプリンをお願いしたのですが残念ながらすでに完売。珈琲とチョコレートケーキをいただきました。

カウンターは特等席です。キッチンの様子がうかがえ小さいながらも使い勝手がよくコックピットのよう…。清水さんが丁寧に珈琲をドリップしてくださる姿も拝見でき!

スーツケースを持った私にいろいろと声をかけてくださり楽しい時間を過ごしました。

この店のはじまりのこと、中くらいの友だちのこと、今の弘大(ホンデ)のこと、そして茨木のり子さんのこと…。

白い壁に古いしゃもじと白磁の灯具がそっと掛けられていました。そう、それは茨木さんのご自宅に飾られた李朝の道具です。ため息がでるほどの美しさ。池多さんの茨木さんと韓国骨董への大きな愛が感じられます。

 

(画像出処:「雨乃日珈琲店」公式Instagram)

 

また「中くらいの友だち」の話題の中で佐藤行衛さんのことが出ました。

佐藤さんは韓国に住む日本人ミュージシャン。コプチャンチョンゴルというロックバンドをされています。その方のお店もすぐ近くにあり1月に1回、月曜日の夜に日本の音楽にスポットをあて音楽を聴きながら佐藤さんが語られるイベントがあるんだそうです。

お話を聞くと次回は歌謡曲!予約も不要のラフな雰囲気でほぼ韓国の方が来られるとのこと。ソウルの場所で聞く郷ひろみや瀬戸の花嫁…不思議です。

 

「いつまでいらっっしゃるんですか?」
「明後日の土曜日に帰ります。」
「次は必ず月曜日に!」
「はい!必ず!」
こんな言葉を交わしながらも残念ながらいまだ叶わずです。

 

シンプルなレイアウト、置かれているものも少なく自然素材が使われたあたたかい空間の「雨乃日珈琲店」。石川県で焙煎されている二三味(にざみ)珈琲も美味しくてつい長居をしてしまいました。

池多さんのご出身が金沢ということで店内には金沢にゆかりのある作家さんの陶磁器やお盆が並んでいました。お店の名前についている雨の日ということばも金沢は雨が多い町ということから名づけられたのだそうです。

 

(画像出処:「雨乃日珈琲店」公式Instagram)

 

日本から来られる方もきっとたくさんおられると思うのですが、丁寧にお相手してくださるお二人の声のトーンやゆったり感が本当にここちよいのです。旅の途中、迎えてくれる場所があるということがうれしく心強くもあり…

ソウル弘大の街角から日本の文化を発信する「雨乃日珈琲店」。必ずうかがいたいお店です。

 

●雨乃日珈琲店/아메노히커피점

서울시 마포구 동교동 184-12 101(ソウル市麻浦区東橋洞184-12 101号)

 

 

(文・写真:+hanスタッフ)

 

 

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