大人の韓国+han暮らしまわり通信～作家を通して知る町～
オンラインストアのおかげで、韓国に住む多くの作家さんと縁を結ぶことができました。
陶芸家、文具メーカー、石鹸工房やアクセサリー作家…まったくといっていいほどつながりもなく「当たって砕けろ」！たくさんの方を巻き込み、お世話になり今思えば冷や汗もののエピソードも。
しかし日本からやってきた私たちに韓国の作家たちは優しく…大きな手を広げて迎えてくださり喜んで日本へ作品を送ってくださっています。まさに親ごころ…荷物を開けるたびにそんなあたたかさを感じています。
陶芸の村・利川（イチョン）、韓屋が並ぶ北村（プクチョン）、コロナ禍を経て店舗を閉店し移転された乙支路（ウルチロ）や釜山（プサン）…作家たちの住む町を訪れ知ることも楽しみのひとつです。
2023年夏、新しい作家さんが羅州（ナジュ）へといざなってくれました。
布作家モクサゴルコンバンのキム・ウェギョンさんです。
彼女の作品との出会いは仁寺洞（インサドン）の商業施設マルにあるセレクトショップです。ふらりと入り見つけた椿の花のバッグに、一目で惹きつけられました。
次の機会に会いに行こう…とのんきに構えていましたら渡韓もできなくなり、残念ながらそのお店も閉店されました。ここからキム・ウェギョンさん探しが始まったのです。
HPもSNSもされておらずたいへんでしたが羅州天然染色文化財団に所属されていることがわかりました。スタッフHちゃんに問い合わせをしてもらい電話番号をお聞きし、ようやく縁がつながったのです。
今回も見知らぬ日本の小さなストアの突然の連絡に驚かれたことと思いますが、喜んで引き受けてくださいました。
※キム・ウェギョンさんのバッグやプロフィールをオンラインストアのページにも書かせていただいていますのでご覧いただけましたら…
羅州！まだ訪れたことのない歴史ある地方都市です。
ウェギョンさんがご主人と離れてまで住むことを決意された羅州のことを少し調べてみました。
画像出処：羅州市
○羅州の基本情報
面積：608㎢ ※ソウルとほぼ同じ
人口：およそ11万人 ※ソウル995万人
位置：全羅南道の中西部に位置し光州（クァンジュ）広域市の南。
ソウルの龍山（ヨンサン）駅からKTXで約2時間半。
気候：地域内の気温の差が大きい。最高35.4℃、最低－9.9℃、10月下旬初霜がおり3月まで寒い日が続きます。
○羅州を楽しむいくつかのポイント
1．グルメ
コムタン
郷土料理として有名なコムタン（牛の骨や内臓・肉を長時間煮込んでスープにごはんを入れて味わう）やホンオ（黒山島で獲れたエイが船で栄山江に運ばれる途中に自然発酵し、ツーンとした香りと独特な風味を持つ。ソウルのお店で食べたことがありますがお刺身ひと切れで降参してしまいました）、梨や梅の名産地。
2．韓国天然染色文化館
そして特筆したいのが羅州の韓国天然染色文化館です。
羅州は絹産地として、また水が豊かな場所で染色の地としても有名な地域です。藍染の人間国宝がなんとこの地に2人もおられ、作家キム・ウェギョンさんもこちらの染色講習会を受けられビビビ！稲妻が走り羅州への移住を決められたそうです。
館内には展示だけでなく次世代への伝統継承を目的に、教育講義や一般向け常設体験場も運営されています。
動画出処：韓国天然染色文化館公式YouTubeチャンネル
3．日本家屋の風景
羅州はかつて水運事業によって繁栄した都市で、日本人が多く住んでいたようです。建築物や住宅にもその名残が多くあるようです。
地方好きの知人は言います。「羅州はソウルに比べるととんでもなく時間がゆっくりと過ぎる田舎町。隣に居合わせただけで旧知の仲のようにぐいぐい話しかけてくるよ。でもそれがひとり旅の自分にとってありがたく、忘れていた情を感じる。」と…。
都会では出合えない、懐かしき風景や素朴なあたたかさに触れ、ソウルとはまた異なる思い出ができるでしょう。
作家を通して知る新しい都市や町。まだまだたくさんお楽しみは出てきそうです。
羅州へもグーグルマップの画面だけでなく、実際に訪ね作家にお会いしコムタンを笑。
皆さまも機会ございましたらぜひ羅州へ…。
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