大人の韓国+han暮らしまわり通信 ～KIMURA & Co.編～
KIMURA & Co.さんという人形作家をご存じでしょうか？
おきあがりこぼしや招き猫、張り子の犬や七福神…。郷土玩具や縁起物の懐かしい玩具たち。昭和の時代、和室の飾り棚に1つはあったかもしれません。
そんな懐かしい玩具たちからインスピレーションを受け、現代の人形として新しい息吹を吹き込む注目の作家さんです。
実は大人の韓国 +han のスタート時からお世話になっている方なのです。
今日はKIMURA & Co.の木村幸世さんをご紹介したい思います。
「チョゴリの女の子の人形を作ってくださる日本の作家さんはおられないかしら…」
この思いで始まった作家さん探し…。ふと目に留まった木村さんのだるまのマトリョーシカ。
ふつうはどんどん小さくなっていくのに胴体の部分に8つの縁起物が入っているのです。それぞれの表情が楽しくて愛らしくて！
調べると奈良にお住まいの女性でこれはぜひお会したいとまた熱は上がるばかりで…。
行ってまいりました。
古都・奈良のならまちに小さな工房を構えられ大通りに面した建物なのにそこだけ時が止まったような…板に黒い塗装、引き戸を入ると細長い土間、下駄の履物がきれいに揃えられ、お話しする前からお人柄がうかがえ…。
美大を出られ紙粘土や磁土、木などの材料を使い昔ながらの玩具をモチーフに制作されています。
こちらの申し出を快諾してくださりチョゴリの女の子と福だるま（伝統色・五方色バージョン）を制作してくださいました。
ここでも助けられたのは『韓国映画』。作業の合間によく見られているんだそうです。「ありがとう韓国映画！」と心の中でつぶやきながら足どり軽く帰路につきました。
木村さんの人形には懐かしい空気を感じます。またそこにあるだけでクスリとほほ笑んでしまいます。
それは木村さん自身が古いものを大切にされているから…古いものに込められた物語や思いを現代の暮らしに伝えたいから…。
大人の韓国 ＋hanでも前出のお人形に加え『韓服の子ども』、『MATO十長生』の４つの人形を作っていただいています。
韓服に関しては図書館に通いつめ時代考証の資料・文献を探され季節が動いたことも気づかなかったり、また十長生の制作が今年のコロナウイルス感染拡大の時期と重なり木村さんの深い深い祈りが込められているのです。
可憐な少女にその願いを託した忘れられない1体になりました。
制作から納品・発送すべておひとりでされている木村さん。
1日何回も窯に入れ焼き、絵付けをしていく。孤独な作業ですが木村さんはとても幸せそうです。
時折、韓国映画の感想を知らせてくださったり…仕事の合間にインスタグラムも更新されているので、ぜひご覧ください。
とっても真面目だけれどご自身は気づいておられない天然の面白さが共存する作家さんです。
最後に木村さんにいただいた言葉を添えます。
「私の制作の根源でもある郷土玩具にも人々の願いが込められています。今回の「十長生」にも同じコンセプトがあり意義のある制作を行うことができました。昨年にご依頼を受け調整を重ね、奇しくも今この時期（3月）に制作していることに何か意味があるように思えてなりません。祈るような気持ちでの制作となりました。」
拠点を京都に移してのご活躍です。
サントリー美術館や百貨店、各地のこだわりを持った店舗でも木村さんの作品をみることができます。
きっと皆さんも幼いころの思い出が蘇るとき、大好きだった人形やおもちゃが登場するのではないでしょうか？
KIMURA & Co．の人形も誰かの記憶に残るような人形になれるとうれしいです。
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