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2025.11.07 10:30

大人の韓国+han暮らしまわり通信「封筒に包む思い」

 

2025年秋、韓国高陽市に住むグラフィックデザイナーの封筒をご紹介させていただくことになりました。

 

韓国高陽市

 

切り絵のような植物のモチーフが大胆で美しく、韓国の伝統と若い感性が息づく封筒です。

 

画像出処:+han

 

便箋がついておらず不思議だなと思いお聞きしたところ、秋夕(チュソク)の時に目上の方にお金を包んで差し上げるために使われることが多い封筒と教えていただきました。

ソウルや釜山の雑貨店では「今年の秋夕はどの封筒で贈る?」という話題がSNSでトレンドになるんだそうです。

 

「お金を包み、贈る」という習慣は欧米よりも主に東アジアの国で見られる文化です。封筒にも各国の特徴があり中国では福や吉祥を表す赤の封筒、日本ではご存じのように用途によって紙質や水引きの結びに意味が込められています。韓国では秋夕はもちろん旧正月結婚や誕生日などのお祝い事や人生の節目などで現金を封筒に包んで贈る習慣が広く根付き少し前までは白や金色が定番でしたがここ数年、封筒も心を映すべきという感覚が広がりデザインの選択肢が増えたようです。「包む」という行為、福を包むポジャギにも共通していますね!

 

今まで気に留めなかった封筒がとても気になってきました。

どうしてわざわざ封筒に入れるの?郵便で送る時には当然のことなのですが…

 

大好きな映画『八月のクリスマス』でも封筒がいくつかの印象的なシーンで使われていました。ハン・ソッキュ演じる写真館を営む青年ジョンウォンとシム・ウナ演じる駐車違反取締員タリムの夏に出会い冬に終わる短いラブストーリーです。

 

画像出処:映画『八月のクリスマス』韓国公式ポスター

 

死期を悟ったジョンウォンが残される人へ宛てた何通もの封筒を並べるシーン、そしてタリムがジョンウォンへの思いをしたためた手紙をずっと閉まった写真館の引き戸の隙間にそっと挟むシーン。タリムの純粋な切なさを表すような淡い青色の封筒でした。どちらも中身は明かされず、受け取る場面も描かれませんでしたが感謝や愛情など深い感情が静かに包まれていることでしょう。

 

画像出処:+han

 

また日本のドラマ、『北の国から』にもとても有名でせつないシーンがありますね。

息子の純が上京の際、父・五郎が運転手さんにお礼として渡した茶封筒には泥のついたお札が入っていました。

思い出しただけでも涙が出てしまいます。

 

お金をわざわざ封筒に入れて贈るという行為は経済的な儀礼に見えますがお金そのものよりも封筒を通して心を分かち合い、中身が見えない分、かえって心を伝え、贈る人と受け取る人の心をつないでくれます。最近は封筒も使わず指先ひとつ!LINEペイやカカオペイで送金されることも多いのですが「相手を思い、封筒を選び、包み、折って閉じる」という行為があたたかく、言葉よりも深く心を伝え、相手に届くのだと思いました。

 

画像出処:+han

 

韓国の若きデザイナー、ノ・ヘジさんのブランド『무니(ムニ)』の封筒もそんな“心のかたち”を鮮やかな色と線で描き、封筒にも季節や温度が宿りあたたかい心が宿っていることを教えてくれました。この韓国の封筒が日本の暮らしの中で、大切な思いを伝えるときに使っていただけるとうれしいです。

 

文・写真:+hanスタッフ

 

 

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