2026年も開催が予定されているので、韓国に滞在中の方はぜひ足を運んで、韓国ならではの新年の迎え方を体験してみてはいかがでしょうか。
皆様、今年も残すところあと少しとなりましたね☆
日本の年末年始は、実家へ帰省して家族と過ごしたり、連休を利用して旅行へ行かれる方も増えましたよね。
しかし、韓国では今でも旧暦の1月1日が重要な名節として扱われているため、新暦の1月1日を挟む年末年始は、日本と過ごし方が異なるんです!
今回は、そんな韓国ならではの年末年始・新年の過ごし方をご紹介します^^
◆休日事情
韓国では1月後半〜2月中旬ごろにある旧正月(ソルラル)を盛大に祝う文化があるため、年末年始の仕事納めや三箇日の概念がなく、新暦の1月1日のみが祝日として扱われています。
韓国ではキリスト教徒が多いため、12月25日は「聖誕節(ソンタンジョル)」という祝日になっていて、年末の大きなイベントのひとつとされています。
◻︎どのように過ごすの?
画像出処:YouTube「 엠뚜루마뚜루(MBC公式総合チャンネル)」 キャプチャー
全国各地で行われる年越しイベントに参加したり、日帰りでグランピングや登山に出かけ「初日の出」を拝んだり、普通の休日としてゆっくり過ごしたり…
画像出処:YouTube「 엠뚜루마뚜루(MBC公式総合チャンネル)」 キャプチャー
貴重な休日を家族や友達、恋人と思い思いに過ごしています。
◻︎街の様子は?
画像出処:筆者撮影
韓国では本格的なお正月は旧暦の1月1日「ソルラル」に祝うのが一般的のため、街のクリスマスイルミネーションやお店の飾りつけは、1月に入ってもそのまま残っていることが多いです。
日本ではクリスマスが終わるとすぐにお正月モードに切り替わりますが、韓国ではクリスマスの雰囲気を引き継いだまま新年を迎えるのが一般的です。
◻︎新年に食べるものといえば?
韓国でも日本と同じように、お正月にお餅を食べる習慣があります。
特によく食べるのが、「トックク(餅のスープ)」や「トッマンドゥクッ(餃子入り餅スープ)」。
トッククは、煮干しベースの優しいスープから牛肉ベースのスープまで様々で、日本でもお雑煮の作り方が違うように、地域や家庭ごとに異なる味付けになります。
使われる細長い餅は「長寿」、薄切りの形は「富」、白い色は「清らかな新年」を象徴し、縁起の良い料理とされています。
また、「トッククを食べると1歳年をとる」という言い伝えもあり、数え年(セヌンナイ)が一般的に使われていた韓国では、トッククを正月に食べることで歳を重ねることを意識していたようです^^
※韓国で「数え年」は2023年6月に廃止。国際標準の満年齢(生まれた日を0歳、誕生日ごとに1歳加算)に統一する法律が施行された。
◆干支文化
お正月といえば、その年を代表する干支が気になりますよね。
実は韓国でも、日本と同じように干支が存在し、韓国の生活にしっかり溶け込んでいます。
◻︎韓国の干支文化とは?
画像出処:国立中央博物館 公式サイト
韓国の干支は中国由来ということもあり、中国と同じく12番目の干支の「亥」がイノシシではなくブタとして登場します。
◻︎干支にまつわる韓国語
韓国語で「十二支」は「십이지(シビジ)」といい、干支の年を表すときには「띠(ティ)」という言葉を使います。
たとえば、ネズミ年は「쥐띠(チュィッティ)」、ウサギ年は「토끼띠(トッキッティ)」、ブタ年は「돼지띠(トェジッティ)」のように、動物の名前に「띠」をつけて表現します。
◻︎2026年は丙午(ひのえうま)の年
画像出処:国立中央博物館 公式サイト
60年に1度訪れる丙午の年。
日本では、丙午の年に生まれた女性は「気性が荒い」「夫の命を縮める」などの迷信が信じられており、1966年の丙午には赤ちゃんを産み控える家庭も多かったそう!
しかし、韓国では丙午を「병오년」と呼び、似たような迷信はあるものの、日本ほど影響される人はおらず、丙午の年に生まれた女性は「エネルギーが強い」くらいで、結婚を控えたり出産を控えたりすることはないそうです。
◻︎韓国の干支にはメインカラーが存在する?
忘れてはいけないのが、韓国の十二支はその年ごとにメインカラーが存在すること!
青、赤、黄、白、黒の五行思想に基づく韓国の伝統色「五方色」と十二支を掛け合わせることで、2019年「황금돼지(黄金の豚)」、2022年「검은 호랑이(黒い虎)」、2024年「청룡의 해(青い辰)」のような様々な組み合わせの干支が毎年発表されます。
◻︎新年の挨拶は?
画像出処:筆者撮影
日本と同じように、新年には干支モチーフや伝統的なデザインのグリーティングカードを渡したり、干支モチーフの画像をつけてメッセージを送り合ったりすることが多い韓国。
特に最近では、グリーティングカードよりも、メッセージが主流になっており、日本のあけおめメールと同じように新年の挨拶を済ませることが増えました^^
◆年越しイベント
◻︎普信閣(ポシンガク)や臨津閣(イムジンガク)での除夜の鐘イベント
日本で年越しといえば思い浮かぶのは除夜の鐘ですが、韓国でも同じような伝統的な習慣があります。
画像出処:SBS公式YouTube キャプテャー
代表的なのは、ソウルにある普信閣(ポシンガク)で行われる鐘つきで、大晦日から33回の金を鳴らし新年を迎えます。
ここは除夜の鐘の名所となっていて、毎年各地から人々が集まり、大賑わいです。
その一方で、韓国でしか聞くことのできない除夜の鐘もあります。
それは北朝鮮との国境付近にある臨津閣(イムジンガク)。
ここ一体は、かつて朝鮮戦争の激戦地で数々の悲劇が残る場所で、平和と民族統一の願いを込めつくられた「平和の鐘」が、毎年大晦日に鳴らされます。
◻︎各地でカウントダウンイベント開催?
画像出処:カウントダウン釜山 公式インスタグラム
観光地や遊園地では、毎年恒例のカウントダウンイベントが開催されます!
画像出処:エバーランド 公式YouTube キャプテャー
数年前は、花火を使った演出が多かったのですが、最近ではプロジェクションマッピングを使ったライティングショーやドローンショーなども増えていて、幻想的で見応えがあります♪
◻︎エンタメ界は授賞式や音楽祭典がめじろおし!
画像出処:SBS人気歌謡 X公式
年末にかけて、韓国の3大放送局KBS・SBS・MBCでは、作品・俳優・アーティストに関連する授賞式が行われたり、歌謡祭が行われたりと、一年の集大成とも言えるビッグイベントが多数開催されます。
画像出処:KBS 2024KBS歌謡祭 公式サイト
その豪華さは、まさにお祭りそのもの!!
韓国の人気俳優・アーティストが集うだけあり、世界中から注目される一大イベントです☆
◆元日の過ごし方
◻︎初日の出イベントも定番?
各地の海岸沿いの初日の出スポットでは大晦日から元旦にかけて「初日の出祭り」と呼ばれるイベントが開催され、初日の出を見ようと大勢の人が長い道のりをかけて集まります。
画像出処:正東津 砂時計公園 公式サイト
2026年も開催が予定されているので、韓国に滞在中の方はぜひ足を運んで、韓国ならではの新年の迎え方を体験してみてはいかがでしょうか。
◻︎教会では新年礼拝・ミサが行われる
韓国はキリスト教徒が多いため、家族揃って聖堂や教会に訪れ、新年礼拝やミサが行われることも!
しかし、キリスト教徒にとっては、イエス・キリストの誕生を祝う12月24〜25日が本格的な礼拝・ミサのシーズンになっているので、元旦はこの時期よりも盛大ではありません。
◆年末の慈善活動
◻︎年末恒例の「社会鍋(慈善鍋)」など寄付文化とは?
画像出処:コリアネット
韓国ではクリスマスの前後になると、人通りの多い場所に赤い鍋を置き、鈴やベルを鳴らしながら寄付を呼びかける人々の姿が見られます。
これはキリスト教団体による全国的な募金活動で、今では年末の風物詩としてすっかり定着しています。
実はこの活動、1928年ごろから始まったと言われており、キリスト教徒の多い韓国ならではの年末の光景ともいえるでしょう。
◻︎光化門に毎年設置される「愛の温度塔」とは?
「愛の温度塔」は1988年から続く代表的な寄付キャンペーンで、年末のニュースでも度々取り上げられるほど。
企業や市民から集まった寄付金額に応じて温度計が上がる仕組みになっていて、寒い季節に見る人々の心も温める募金モニュメントです^^
画像出処:コリアネット
以上、韓国の年末年始について紹介しました。
最近では、年末を利用して韓国旅行を考えている方も多いと思うので、この機会に韓国のお正月文化に触れてみてはいかがでしょうか?
| 【キュレーター】:mimo |
| 韓国在住。休日は、韓国のローカルグルメ探しを楽しんでいます。 |